Teaching and Learning
授業と学習
社会
Social Studies
実社会との関わりを意識し重層的に学ぶ
「社会科はただの暗記科目」と思って入学してくる生徒がいるとしたら、洗足学園ではその先入観を払拭できるような授業を目指しています。社会科を通じて学んでほしいのは、世の中の現状を認識するとともに、現代にいたるまでの人類の歴史から反省点を探すことであり、課題を解決してよりよい世界を創造していくことにあります。そのため、地理分野、歴史分野、公民分野のいずれにおいても、実社会との関わりを意識した授業を目指しています。
特に中学1・2年の段階では社会科の各分野の枠を取り払い、「今の社会を知ること」を目標に、歴史的な事象や地理関係が現代社会にどのようにつながっているかを重層的に学びます。たとえば、「ヨーロッパの大航海時代、大きな船を出港させる際、リスク分散を鑑みてみんなで資金を出し合い、その分担金によって収益を分け合ったことが、株式会社という形態につながった」というように学ぶことで、現代社会におけるさまざまな状況が理解しやすくなるとともに、今後の課題や課題解決の方法も見えてきます。
ただ丸覚えするのではなく、原因・結果などの因果関係を含めて論理性をもって学ぶことによって、社会科の勉強はより楽しくなり、理解が深まります。また、重要事項は反復学習をして確実な定着を図り、高校での発展的学習へとつなげていきます。
Challenge & Vision
今後の取り組み
1
授業中における教員・生徒間、または生徒・生徒間のやりとりをさらに活発にしていくことで、生徒同士が授業中に質問し合ったり、教え合ったりする雰囲気・環境を醸成・発展させます。
2
学習したことをもとに考えることを重視し、考えたことを文章やプレゼンテーションなどの形で表現し、他者に伝える活動・他者の考えを聴く活動を授業に取り入れることで、論理的・多角的思考力や表現力を高めていきます。
3
地理・歴史・公民といった分野の枠だけでなく、教科の枠も取り払い、さまざまな分野・教科と連携して授業を展開し、知の連鎖・統合を図ります。
[社会科の目標]
本校の授業において学ぶ社会科・地理歴史科・公民科には、多くの学問領域が内包されています。本校生徒たちにこれらの学問を幅広く学んでもらうことで、論理的・多角的な思考のもととなる知識を獲得させたいと考えています。また、授業で獲得した知識は、本校が育成を目指している「社会に有為な女性」にとって、必要不可欠な教養でもあります。国際的にも通用する知識・教養と、論理的・多角的な思考力を生徒に獲得させることを目標としています。
この目標の実現のための具体的な指針は次の通りです。
- (1)知識・教養に対して、興味・関心・探究心をもたせること。
- (2)知識・教養を獲得する手法を身につけさせること。
- (3)資料・史料に対して、評価・批判できる能力を身につけさせること。
- (4)資料・史料をもとに、論理的・多角的に思考できる能力を身につけさせること。
- (5)自身の考えをもとに、他者と議論できるコミュニケーション能力を身につけさせること。
- (6)多様な文化に対する理解と尊重の姿勢を身につけさせること。
以上の指針をもとに、「社会に有為な女性」の育成を目指しています。また、この指針に基づいた教育活動により、国内外を問わない多様な進路実現をサポートしています。
[学年ごとのねらい]
中学・高校時代は、一生涯のうちにおいて最も知識吸収力に富んでいる大切な時期です。この大切な時期に、より多くの分野・科目を履修することによって、思考力とその土台となる知識を獲得させたいと考えています。
中学1・2年では地図帳や資料を用いて、地理・歴史・公民の3分野を総合的・複合的に学び、高校の学習内容の土台となる基礎学力と思考力を構築します。
中学3年からは高校の学習内容に入ります。中学1・2年で身につけた基礎学力と思考力を、発展的な内容を学習することでさらに伸ばしていき、知の連鎖・統合ができるような授業を展開していきます。
高校2・3年の文系コースでは大学入試を見据えて世界史または日本史を中心に深く学びます。また、理系コースでも地理や倫理を学び、社会で活躍していく上で必要となる知識・教養を身につけます。
6年間でほぼ全ての科目を履修し、より多くの知識と教養を獲得できるように、また、生徒たちの進路実現のために、さまざまな科目を網羅することも考慮してカリキュラムを作成しています。高い進路目標を持つ生徒が、その目標を達成できるための学力を構築できるよう努めています。
社会科教育の内容と進度
From Teacher