Teaching and Learning

授業と学習

理科

Science

理科を通して、課題を見つけ、自ら考える力を養う

 洗足の理科の授業では、まず「理科が好きになる」からスタートします。実験・観察を効果的に取り入れ、自然界にある規則性や多様性を見出し、身の回りの世界が驚きにあふれていることに気づく力を育てます。実体験を通じて、基本的な知識を定着させ、機器や薬品の取り扱い、実験の手法などを身につけると同時に、レポート作成や対話を通じて、科学的な思考力や表現力を磨きます。
 実験を行う際、生徒は教科書通りの結果が出ることを成功であると考えがちです。しかしどんな実験にも失敗はありません。大切なのは、なぜその結果になったかという因果関係を見出せるかです。実験が予想と異なる結果となったのであれば、なぜそうなったのか考えます。この論理的な思考力は、教科書を読むだけでは決して得ることができない力です。論理的な思考を繰り返すことで、解決すべき課題を見つけ出す、課題発見能力ヘと繋がります。
 中学1年·2年では「新聞スクラップ」を課題とし、国内外の最新の科学情報に触れ、自然科学への興味関心を引き出します。そして、多くの情報が飛び交うなかで、正確な情報と必要なデータを選び取る力を培います。社会が抱える様々な課題に対して、科学技術が解決の糸口になることを理解してほしいと考えます。
 洗足の理科教育の目標は、人類が共有する課題にいち早く気づき、解決に貢献できる力を養うことです。そのため、高学年となっても幅広い知識と、より深く分析する力が養われるよう授業を展開します。最近は、科学に関連する学外活動に挑戦する生徒も増え、理科を楽しみながら学んでいる生徒が増えているのを感じます。

Challenge & Vision

今後の取り組み

1

 中学入学までに暗記している知識やそれらの知識同士をつなぐ考え方を、教員が語るだけではなく、生徒同士の意見交換や発表を通して思考し、自分のものにできるような授業を意識して行っていきます。

2

 クリティカル・シンキングや対話を活用して、実験結果を多角的に検証することや、数学科と連携して、実験で得られた数値をICT機器を活用して分析を行うことは重要だと考えています。さらに、家庭科や保健体育科、美術など他教科との連携によって生徒は視点が変わり、理解に奥行きが出て表現力が増します。STEAM教育が注目される中、多くの観点を生徒が持てるよう工夫していきます。

3

 中学3年・高校2年で作成する研究論文を現状よりもさらに発展させ、将来的には自ら見出したテーマに対し生徒自身が実験を計画し、結果を検証できるような力も育成していきたいと考えています。液体クロマトグラフィーや分光光度計、走査型電子顕微鏡などが新たに設置されました。これらを活用して、より充実した授業、研究の機会を提供していきます。

4

 学外活動が活性化している中で、科学系の活動に参加する生徒も増えています。科学オリンピックなどに参加するだけでなく、大学での講義を聴きに行ったり、大学の研究室で研究させていただいている生徒もいます。このような生徒がもっと増えていくように、情報の提供やバックアップを積極的に行っています。

[理科の目標]

 生徒たちが羽ばたいていくこれからの社会は、自然科学を含む幅広い知識を身につけた上で、論理的かつ多角的に物事をとらえ、思考・表現できる力が必要とされる課題にあふれています。環境問題、生物多様性に関する問題、科学技術の発展に伴う倫理的な問題など、その例は枚挙にいとまがありません。本校の理科では、生徒たちが将来、人類が共有する課題の解決に貢献できる本質的で実践的な能力を身につけさせることを目標としています。この目標の実現のための具体的な指針は次の通りです。

  • (1)効果的な実験や観察を通して興昧関心を引き出し、基本的な技術や技能の定着を図る。
  • (2)実験の結果について様々な観点から検証し、対話・発表・レポート作成を通して、科学的・論理的な表現力と様々な考え方を受容する素地を育む。
  • (3)自然科学の学習および実験結果の検証を通して、科学的・論理的な思考力を育成し、課題発見能力を育む。
  • (4)新聞スクラップを通して最新の科学情報にふれ興味関心を引き出し、情報を選び取る力を養い、社会に対して自然科学が果たす役割を気付かせる。
  • (5)人類が蓄積してきた知識や思考法を、自身の頭の中で有機的に関連付け、その活用法を学び、大学での専門分野の研究の礎となる学力の育成を図る。

[学年ごとのねらい]

 中学1年・2年の2年間で中学理科の内容を学習します。この2年間では特に実験や観察を重視しています。基本的な機器や薬品の取り扱い方、実験の手法などを楽しみながら身につけられる授業を実施していきます。五感を駆使して体験的に学ぶ中から、自らの頭で考察する力、科学的な思考力を育成します。さらに実験や観察のレポート作成を通して、科学的かつ論理的な表現力を磨くことにも力を注いでいます。また、新聞スクラップにも取り組み、最新の科学情報記事を自ら探して読み、想像力を働かせて考えていく力を鍛えていきます。
 中学3年からは高校の学習内容に入り、高校1年終了までに基礎的内容の学習を終えます。高校2年以降の理系選択者は各分野の発展的な内容を学習し、知的好奇心や科学的探究心をさらに深め、知識を有機的に結合させて、応用できる力を育めるような授業を展開していきます。高校3年では大学入学後の専門分野の研究の礎となる力の育成を図りつつ、授業を中心に、長期休暇中の講習も含めて難関大への入試に対応できる力を培っていきます。高い目標を持つそれぞれの生徒が自らの望む進路に自信をもって進めるよう高度な学力の育成を目指しています。

理科教育の内容と進度

From Teacher

田村 江舟

指導上の留意点①

実験・観察の充実

 「実物を見る・触れる」ことを重視し、実験・観察の機会を多く設けています。実体験を通じて生徒の興味・関心を引き出すとともに基本知識を定着させ、科学的な視点や思考力を養います。

指導上の留意点②

自分で考え判断する力を身につける

 情報が氾濫する現代社会において、自分で情報を選び取り、正誤を判断する力を身につけることは必須ともいえます。洗足の理科では新聞スクラップの課題などを通して、最新の科学技術に関する知見を広げ、常に世の中の動きと理科の関わりを意識させ、自ら考え判断する力を養います。

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