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2021.03.26

中2 探究の授業を紹介します 後編その3

中学2年で行われた探究授業の様子「後編その3」を本日はお届けします。
今回で2020年度に行われた中学2年生の探究授業の紹介は最終回となります。
前回の記事では「仮説の構築」の第2段階として、マインドマップから見つけた興味ある言葉を使って作り出した文や文章を、詳細な仮説文に作り変えていく生徒たちの様子を紹介しました。

最終段階となる第3段階は「仮説として有効か検証する」です。
検証は3つのステップで行われました。
1つ目のステップは第2段階で作成した仮説文に抽象的な表現がないかチェックを行い、何をどうしたら証明可能であるかをイメージし、文章にまとめていきます。
Oさんは第2段階で「家で食事をとる方が外食よりも好きな人の割合は50%を超えているのか。」という仮説文を作りました。
これを証明可能な形としてイメージし、より具体的に対象を絞り込んで、Oさんは次のような文章を作りました。
「20歳から29歳の人々が外食(持ち帰りの弁当や惣菜を利用していることも含む)をすることが、他の年齢層と比べて多いというのは事実か。」

次のステップは「根拠の収集」です。
仮説文の内容を証明するには複数の根拠が必要となります。
先ほどの仮説文の根拠としてOさんは2つの根拠を収集しました。
1つ目は、農林水産省のホームページから収集しました。
その内容をまとめ、文章化しました。
「農林水産省の平成14年9月の『食糧モニター調査』によると、1週間に外食をした回数は20歳未満の人は1.7回、30歳~39歳の人は2.6回、40歳~59歳の人は2.7回、60歳以上の人は1.4回であるのに対し、20歳~29歳の人は3.3回である。これは他のどの年齢層よりも多い。」
2つ目は政府統計の総合窓口「e-Stat」から収集しました。
文章化したものは次のようになります。
「『国民健康・栄養調査81』によると、外食を週に2回以上した人の割合は、30歳~39歳の人は13.3%、40歳~49歳の人は11.2%、50歳~59歳の人は10.2%、60~69歳の人は5.9%、70歳以上の人は2.7%なのに対し、20歳~29歳の人は14%である。これはほかのどの年齢層よりも高い。」

最後のステップは「用意した仮説で論文を書き始めることができそうか、最終確認をしよう!」です。
具体的にはルーブリックを用いて確認を行い、あてはまるものに丸をつけていき、点数化していきます。
また、隣席の生徒とノートを交換し、相互にアドバイスを行い、評価をしてもらうというワークショップを行いました。
Oさんは隣席の生徒から次のような評価をもらいました。
「根拠がしっかりしたデータなので、良いと思います!仮説もしっかりとした定義があるので、データを最新のものにすれば、大丈夫だと思います!」

4回にわたる連載で、本校の探究授業の内容、研究論文への取り組みを紹介いたしました。
このような取り組みを通じて、本校では生徒たちが自らの未来を切り拓いていくことができる力を育成しています。
これからも、洗足学園ならではの教育内容を、NEWS&TOPICSで紹介していきたいと思います。

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